2017年05月27日

「里枝子の窓」から 2017年5月

こんにちは!広沢里枝子です。
上田放送局から、盲導犬のジャスミんとお届けいたします。


長野県の消防防災ヘリコプター「アルプス」の墜落事故では、多くの人命を救ってき
た長野県消防防災航空隊員9名の方の尊い命が失われてしまいました。
胸を痛めておられる方は、きっと少なくないと思います。

先日、私は、友人の池田雅子さんから、事故で亡くなられた隊員の方々に感謝の気持
ちを表したくて、松本市の消防防災航空センターへ献花に行ってきたお話しを聞きま
した。
雅子さんは、自然観察ガイドの仕事をしていらっしゃいます。
それで実際に救助ヘリのおかげで、人の命が救われた現場に立ちあったことがあった
のだそうです。
雅子さんのご体験や気持ちを聞いて、これはリスナーの皆様と分かち合いたいと思い
ましたので、お願いしてお手紙に書いてもらいました。
最初に朗読させていただきます。

■消防防災航空センター、救急隊の皆様へ

今年3月5日に長野県の防災ヘリが墜落し、9名の隊員の命が失われました。
そのニュースが流れたとき、私はテレビに釘付けになりました。
まさか!あのヘリが!

一昨年の夏、私は池の平湿原のガイドをしていました。
参加者は20名ほど。
昼食と休憩のあと、午後のルートに向けての諸注意をし始めたところ、私の目に参加
者の男性が膝から崩れ落ちる姿が飛び込んできました。
慌てて駆け寄り支えようとしましたが、体格のよい男性を抱えきることができず、男
性は倒れこんでしまいました。
最初は、熱中症かと想い、その対処をしましたが、男性の様子を見るうちに心筋梗塞
ではないかという考えが、私の頭に浮かびました。
内心冷や汗が出ました。
けれど、とにかく繋げるしかありません。

連絡をしてから40分ほどで救急隊が登ってきてくれました。 
「よかった!つなげられた」とまず思いました。
救急隊は、すぐに心電図をつけてくれ、男性は心筋梗塞であることがはっきりしまし
た。
「防災ヘリを呼びます」と声をかけられ、「お願いします」と答えたのを憶えていま
す。
其処から私は、救急隊の支持で、ヘリが来たときの準備に入りました。
そうしているうちに「ヘリが来ました」という声が聞こえました。
「手を大きく振ってください」と言われ、私は夢中で大きく手を振りました。
見る見る近づいてくるヘリ。
私の目に、濃いオレンジ色の長野県のマークが飛び込んできました。
それは、防災ヘリの機体の底に描かれている長野県のマークでした。
「助かった!」と、心の底から思いました。
強い風がまく中、ヘリから隊員がロープを使って下りてくるのが見えます。
隊員を下ろすと、ヘリは一度離れていきました。
てきぱきと処置をしていく隊員たち。
待機していたヘリが、旋回して戻ってきました。
男性を抱えた隊員が、ヘリへと収容され、ヘリは佐久医療センターへ向かって飛んで
いきました。
青い空に小さくなっていくオレンジ色の尾翼を見送りながら「助かった!」と心から
安堵しました。

 あの時見上げた濃いオレンジ色の長野県のマーク。
本当に力強く、誇らしく思いました。
長野県のマーク・・・それはヘリに描かれているだけ・・・かもしれません。
けれど、それに命を吹き込んでいるのは、隊員の方々です。
命を懸けた毎日の活動が、マークに命を吹き込み、下から見上げている私達に、大き
な安堵感と信頼と、そして県民としての誇りをもたらしてくれているのです。
 山岳県に生まれ、人生の中で山で活動をする機会を与えられた者として、長野県消
防防災航空隊があることは最後の命綱です。
一番は、お世話にならないように心がける。
けれど、100%の安全はどこにもない。
だとしたら救急隊がきてくれるまで、防災航空隊が来てくれるまで、生命をつなぐた
めに、がんばる!
それがガイドの役割だと、思います。


なくなった隊員の方のご冥福を心からお祈りすると共に、今も活動を続ける救急隊の
皆様に心から感謝します。

 池田雅子
posted by りえこ at 19:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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